株式会社インターアクション

ボンディングワイヤーとは?|役割/材料としての使われ方をわかりやすく解説

更新日: 2026.06.18 投稿日: 2026.05.20

#基礎・材料 #材料・構成要素 #後工程
ボンディングワイヤーとは?|役割/材料としての使われ方をわかりやすく解説

 

半導体パッケージの内部では、チップと外部接続部をつなぐために複数の接合技術が使われます。その中で、ワイヤボンディングに用いられる中心材料がボンディングワイヤーです。

ボンディングワイヤーは、半導体チップの電極と基板やリードフレームなどを電気的につなぐために使用される極細の金属材料であり、半導体デバイスの動作を成立させる重要な役割を担います。

本記事では、「ボンディングとは何か」という全体像ではなく、その中で使われる材料であるボンディングワイヤーに焦点を当て、役割・材料・選定の考え方を整理します。接合の仕組みや工程については別記事で整理しています。

この記事でわかること

  • ボンディングワイヤーの基本的な意味と役割
  • 半導体パッケージでの使われ方
  • 金・銅・銀など主な材料の特徴
  • 材料によって変わる評価軸
  • 材料選定のポイントと求められる品質

ボンディング ワイヤー と は?

ボンディングワイヤーとは何か

ボンディングワイヤーとは、半導体チップの電極と、基板やリードフレームなどの外部接続部を電気的に接続するための極細金属ワイヤーです。半導体の接合技術全体は「ボンディング」と呼ばれますが、その中でもボンディングワイヤーは接続を実現する“材料”としての位置づけになります。

ウェハボンディングの4段階プロセスフロー図。接合前の準備、位置合わせ(アライメント)、接合実行、接合後の品質検査の各工程をイラスト付きで示している

用語の整理

  • ボンディング:部材同士を接合する技術・工程
  • ボンディングワイヤー:接続に使う材料
  • ワイヤボンディング:ワイヤーを用いた接合方式

※ボンディング全般について知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

「参考記事:半導体におけるボンディングとは?」

ボンディングワイヤーの役割

ボンディングワイヤーの役割はシンプルですが、半導体の性能や信頼性に直結する重要なものです。

主な役割

  • 半導体チップと外部回路を電気的に接続する
  • 信号や電力の伝達経路を形成する
  • パッケージ内部に安定した配線構造をつくる

これにより、半導体デバイスは外部と接続され、実際に機能する状態になります。

ボンディングワイヤーが使われる工程と位置づけ

ボンディングワイヤーは、半導体製造の後工程で使用される材料の一つです。主に、チップ電極と外部接続部を接続する工程で使用されます。

走査型電子顕微鏡(SEM)で100倍に拡大撮影されたワイヤボンディングの様子。半導体チップ上のパッドからボールボンド接合部を起点に複数のワイヤがループ状に立ち上がり、周囲のリードへ接続されている

 

ボンディングワイヤーの主な材料|金・銅・銀など

ボンディングワイヤーには、用途や要求特性に応じて複数の材料が使い分けられます。

代表的な材料

材料系 この記事で押さえるポイント 主な注目観点
金ワイヤ系 接合しやすさや実績の面でよく知られる材料系 接合性、信頼性、用途との相性
銅ワイヤ系 コストや電気特性の観点でも注目される材料系 導電性、材料コスト、品質管理
銀ワイヤ系 用途に応じた選択肢として整理される材料系 導電性、接合性、適用範囲

これらは単体だけでなく、合金化や表面処理(例:Pd被覆)などにより性能が最適化される場合もあります。

ボンディングに使用される3種類のワイヤスプール。左から金色の金ワイヤ、赤銅色の銅ワイヤ、銀白色の銀ワイヤが黒背景上に並んでいる

材料によって何が変わるのか

主な評価軸

  • 導電性

信号伝送や電力供給に関わる基本特性です。用途によっては低抵抗化が重要になり、材料選定に直結します。

  • 接合性

安定したボンドを形成しやすいかという観点です。接合条件の取りやすさ、電極材との相性、量産時の安定性に影響します。

  • 信頼性

ワイヤーが安定して接続できるかを示す材料特性です。熱履歴、湿度、応力、金属間化合物の形成なども含めて見られます。

  • ループ形成性・機械特性

ワイヤーは接合後に一定のループ形状を作るため、硬さや伸び、しなやかさといった機械特性も重要です。ループの乱れは隣接部への干渉や信頼性低下につながることがあります。

  • コスト

材料単価だけでなく、歩留まり、装置条件、管理負荷まで含めて総合的に判断する必要があります。材料費が低くても、工程条件の管理が難しければ全体コストは上がる可能性があります。

半導体は長期間安定して動作する必要があるため、接合後の状態や信頼性まで含めた材料評価が重要になります。

ボンディングワイヤーに求められる性能とは?信頼性・品質・接合性の基本

重要な性能要件

  • 安定した導電性
  • 十分な接合強度
  • 熱や応力への耐性
  • 長期信頼性

接合品質が不十分な場合、性能低下や故障につながるため、材料特性と接合品質の両方が重要になります。

どのような製品・用途で活用されるのか

主な用途

  • IC・各種半導体デバイス
  • スマートフォン・電子機器
  • 車載・パワーデバイス
  • 高信頼性用途(医療・産業機器など)

用途が広がるほど、ボンディングワイヤーに求められる品質や安定性も高くなります。

 

よくある質問

なぜボンディングワイヤーに金が使われるのですか?

金はボンディングワイヤーの材料としてよく知られており、接合性や実績の面で語られることが多い材料系です。ただし、現在は銅や銀を含む複数の材料系があり、用途や要求特性によって選択されます。

ボンディングワイヤーとワイヤボンディングは同じ意味ですか?

同じ意味ではありません。

・ボンディングワイヤー:材料
・ワイヤボンディング:接合工程

銅ワイヤや銀ワイヤも使われるのですか?

はい。金だけでなく、銅ボンディングワイヤや銀ボンディングワイヤも使われます。どの材料が採用されるかは、導電性、信頼性、コスト、用途との相性などを踏まえて決まります。

まとめ|ボンディングワイヤーは「接続を実現する材料」

ボンディングワイヤーは、半導体チップと外部を接続するための極細金属材料であり、ワイヤボンディング技術を支える中核部材です。

半導体の性能や信頼性に大きく影響するため、材料特性・接合性・長期信頼性といった観点から適切に選定・管理することが重要です。

関連記事

半導体におけるボンディングとは?

ワイヤボンディングの原理とは?

後工程の形状ばらつきを定量化する測定の考え方

後工程の形状ばらつきを定量化する測定の考え方

半導体後工程では工程ばらつきの把握が重要ですが、検査の限界により見逃されたリスクが量産後に顕在化します。本資料では、その構造的課題と品質安定に向けた測定技術の考え方を紹介します。

この資料でわかること

  • 検査を通過しているのに不良が起きる理由
  • 今の検査で見えていない、ばらつき管理の盲点
  • 品質安定につながる測定技術の選び方・考え方
今すぐダウンロード

※無料ダウンロード(フォーム入力あり)