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ウェハの厚みとは? サイズ別の目安・規格の考え方・厚み測定をわかりやすく解説

更新日: 2026.07.30 投稿日: 2026.07.30

#基礎・材料 #ウェハ #前工程
ウェハの厚みとは? サイズ別の目安・規格の考え方・厚み測定をわかりやすく解説

半導体ウェハの厚みは、単なる寸法ではありません。製造工程での搬送性、割れにくさ、反りの出やすさ、加工のしやすさ、品質管理の考え方にも関わる重要な仕様です。

この記事では、ウェハの厚みの基本、サイズ別の代表値、ウェハ厚みの規格の考え方、ウェハの厚み測定の全体像までわかりやすく整理します。

なお、ひとくちにウェハといっても、回路を作り込む前のベアウェハと、デバイスを形成した後のパターン付きウェハでは、厚みの意味や管理のポイントが変わります。この記事では、両者の違いを1本の比較セクションにまとめたうえで、各項目のなかでも補足しながら書き分けて解説します。

この記事でわかること

  • ウェハの厚みとは何か、なぜ重要視されるのか
  • 2インチ・4インチ・6インチ・8インチ・12インチ(300mm)などサイズ別の代表的な厚みの目安
  • ウェハの厚み規格の考え方(許容差やTTVなどの管理項目)
  • シリコンウェハとSiCウェハの厚みの見方の違い
  • ウェハの厚み測定の方法と全体像(非接触・接触、光干渉式・静電容量式など)
  • ウェハの厚みが搬送性・加工性・品質管理など半導体製造に与える影響
  • ベアウェハ(加工前)とパターン付きウェハ(デバイス形成後)で、厚みの見方がどう変わるか

ウェハの厚みとは?まず押さえたい基本

ウェハの厚みとは、ウェハ表面から裏面までの距離を指します。厚みの単位は主にµm(マイクロメートル)で表されます。

半導体ウェハの厚みが重要視されるのは、厚みが薄すぎると割れやすくなり、厚すぎると加工や装置対応に影響しやすくなるためです。厚みは、製造プロセスと品質を両立するための機械強度・搬送安定性・加工条件を考慮した設計パラメータといえます。

ベアウェハとパターン付きウェハの厚みの違い

ウェハの厚みは、回路を作り込む前のベアウェハか、デバイスを形成した後のパターン付きウェハかで見方が変わります。まず両者の違いを整理します。

ベアウェハは、厚みがサイズごとに標準化された代表値でほぼ決まり(次章の一覧が目安です)、面内のばらつきも小さく見方はシンプルです。一方パターン付きウェハは、量産で裏面研削(バックグラインド)により薄化されることが多く、注目すべきは元の代表値ではなく加工後の仕上がり厚みと、膜応力による反り・TTV(面内の厚みばらつき)です。

観点 ベアウェハ パターン付きウェハ
状態 回路を作り込む前の研磨ウェハ 成膜・露光などデバイス工程後(膜・パターンあり)
厚みの基準 サイズ別の標準代表値(例:300mmで約775µm) 標準値ではなく薄化後の仕上がり厚み(数十〜200µm程度も)
面内ばらつき(TTV) 小さく安定しやすい 膜応力などで変動しやすく、管理が重要
反り 比較的出にくい 膜応力で発生し、薄化するほど顕著
規格で重視する点 標準厚み+許容差+TTV 仕上がり(残し)厚みとTTV
厚み測定の注意点 接触式が主流。面内均一で高精度に測定しやすい 非接触式が中心。膜・パターンの影響や残しSi厚みに注意
主に関わる工程 ウェハ供給・受入 裏面研削・ウェハ接合・3D積層

このように、同じ「ウェハの厚み」でも、ベアウェハは標準厚み、パターン付きウェハは仕上がり厚みと反り・TTVを見る、という違いを押さえると以降の各項目が理解しやすくなります。

シリコン ウェハの厚みの目安は?サイズ別に一覧で解説

以下は、シリコンウェハ(Siウェハ)の代表的な厚みです。

ウェハ直径サイズ 代表的な厚み 補足
2インチ(50.8mm) 約279µm 研究用・試作用
4インチ(100mm) 約525µm シリコンウェハの厚みの基準値としてよく参照される
6インチ(150mm) 約675µm 6 インチウェハの厚みの代表例
8インチ(200mm) 約725µm 8 インチウェハの厚みの代表例
12インチ(300mm) 約775µm 12 インチウェハの厚みの代表例

 

ウェハは、用途によって研磨や薄化が行われるため、常にこの厚みではありません。記事やカタログを見る際は、ベアウェハの厚みなのか、加工後厚みなのかを確認することが大切です。

表の値はいずれもベアウェハ(未加工の研磨ウェハ)の代表値です。パターン付きウェハでは、デバイス工程後の裏面研削によって薄化され、最終厚みが数十〜200µm程度になることも珍しくありません。

300mm ウェハの厚み・200mm ウェハの厚み・各サイズの違い

2インチウェハの厚み

2インチウェハは研究や試作で使われることが多く、代表的な厚みは約279µmです。小口径のため扱いやすい一方、量産ラインの標準ウェハとは用途が異なります。

4 インチウェハの厚み

4インチウェハの代表的な厚みは約525µmです。研究用や一部のデバイス用途で使用されることがあり、基本サイズのひとつです。

6 インチウェハの厚み

6インチウェハの代表的な厚みは約675µmです。レガシー設備で使用されるサイズで、一部製品分野で今でも使われます。

8 インチウェハの厚み

8インチウェハ、つまり200mmウェハの厚みは約725µmが代表値です。パワーデバイスなどでは今も重要なサイズです。ただしこの値はベアウェハの厚みで、パワーデバイス向けにパターンを形成したウェハは、通電性能や放熱のために裏面研削で100µm前後まで薄化されることも多くあります。

12 インチウェハの厚み

12インチウェハ、つまり300mmウェハの厚みは約775µmが代表値です。最新のイメージセンサ、メモリー、ロジックのウェハサイズです。大口径化に伴って機械的な強度や搬送安定性がより重要になるため、厚み管理の重要性が高くなります。なおこれはベアウェハの代表値で、メモリの3D積層やパッケージの薄型化では、パターン形成後に数十µmまで薄化することもあり、この場合は厚み管理・反り管理の難易度が一段と高くなります。

ウェハの厚み 規格・シリコンウェハの厚み 規格の考え方

ウェハの厚み規格は、サイズごとの標準的な厚みがあり、その中で許容差やTTV(Total Thickness Variation平坦度)などを含めて管理するという考え方が基本です。

TTV(Total Thickness Variation)の定義を示す図解、ウェハ断面のTmaxとTminの差から算出される厚みばらつき指標と良い例・悪い例の比較

つまり、シリコンウェハの厚み 規格を見るときは、「何mmか」だけでなく、どのサイズのウェハかどの用途向けかどの工程で使うかも合わせて確認する必要があります。

この点を押さえておくと、カタログや仕様表で数値を見たときも、単なる厚みの違いではなく、製品設計や製造条件の違いとして理解しやすくなります。

シリコンウェハの厚みと SiCウェハの厚みの見方

シリコンウェハの厚みは、サイズ別の代表値がかなり規格化されており、各メーカーで同じような値となっています。

一方、SiCウェハの厚みは、材料特性(剛性・破壊強度など)や用途、製品条件によってバリエーションが多くなっています。代表的には、4インチ、6インチで350μmや500μmの厚みのウェハが流通しています。

ウェハの厚み測定とは?測定方法の全体像

ウェハの厚み測定は、品質管理や工程管理のために行われます。厚みが想定値から外れると、搬送、研磨、実装、信頼性評価などに影響するためです。

ウェハの厚みを測定する方式には、大きく接触式非接触式があり、対象や工程、要求精度に応じて使い分けられます。接触式はプローブを直接ウェハに当てて厚みを測る方式で、非接触式は光干渉式や静電容量式などが代表的です。

ウェハ厚み測定における非接触式(光学センサ・高速・高精度)と接触式(プローブ・特定用途向け)の2方式を比較した図解

ただし、ここで重要なのは「どの方式が最も優れているか」を決めることではなく、ウェハの厚み測定には複数の考え方があり、用途や要求精度に応じて使い分けられることです。

測定対象がベアウェハかパターン付きウェハかでも、主流の方式は変わります。ベアウェハの厚み測定では、現在は接触式が主流です。プローブを直接当てて厚み・TTV・平坦度を高精度に測定でき、ウェハメーカーの受入・出荷検査などで広く使われています。一方、パターン付きウェハは、表面の膜や回路パターンへのダメージを避けたい場面が多く、非接触式が選ばれやすくなります。加えて膜や金属パターンが光を反射・吸収するため、光干渉式では影響を受けやすく、透過赤外方式や静電容量式など対象に応じた方式選定が重要です。薄化後は、残しシリコン厚みの測定が仕上がり品質を左右します。

また、厚み測定は厚みそのものだけでなく、平坦性や反りなど関連するウェハ形状評価とあわせて考えられることもあります。ウェハ形状は、ウェハ接合に大きな影響を与えるため、各種半導体で主流となっている積層チップではとても重要な評価項目です。

ウェハの厚みが半導体製造に与える影響

  • 搬送性:薄すぎるとハンドリング時の破損リスクが上がります。
  • 加工性:研磨や薄化工程では、元の厚みと目標厚みの設計が重要です。
  • 安定性:厚みが変わると反りやたわみの出方も変わりやすくなります。
  • 装置適合性:チャック、搬送、測定装置との相性に影響します。
  • 品質管理:厚みのばらつきは製品品質や歩留まりに影響します。
  • 反り(パターン付き特有):デバイス膜の応力で反りが生じ、薄化するほど顕著になります。
  • 薄化耐性(パターン付き特有):薄く削るほど割れ・チッピングのリスクが高まり、搬送・接合の難易度が上がります。

このように、ウェハの厚みは単なる寸法値ではなく、製造プロセス全体に影響する管理項目です。代表値だけでなく、ウェハごとの厚みを管理することが大切です。また、ウェハ内の厚みムラはチャック吸着不良や露光装置のフォーカス不良の発生要因になります。

まとめ

ウェハの厚みを理解するときは、2インチ・4インチ・6インチ・8インチ・12インチ(300mm)ごとの代表値を把握し、厚みが規格・品質・加工・測定にどう関わるかを押さえることが重要です。

あわせて、同じサイズでもベアウェハの標準厚みと、パターン付きウェハの加工後厚み・反り・TTVでは見るべきポイントが異なることを意識すると、仕様の読み取りや工程設計がしやすくなります。

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